NHK“20時ドラマ”で大河を食った時代劇「かぶき者慶次」の魅力
NHKの20時台には大河のほかに、「かぶき者慶次」という時代劇がある。こちらのほうが視聴率イマイチの「花燃ゆ」よりおもしろいのではないか。
関ケ原の戦いから8年後、主演・藤竜也が演じる慶次を中心とした家族を描く“時代ものホームドラマ”といった感じだ。慶次が朝食に鮭を焼いてたり、寺の和尚(伊武雅刀)と縁側でノンキに碁を打っていたりと、大河ではありえないほのぼのとしたシーンが多い。ドジって「申し訳ない」なんて謝る慶次のダメ親父ぶりもいい。
娘の佐乃役は西内まりや(同左)。せりふ回しはまだ発展途上だが、着物姿がかわいくて、兄・新九郎(中村蒼)の親友との恋愛話がラブコメとして楽しめる。
しかし、笑いだけではない。ひとり息子の新九郎は実は石田三成の遺児で、その隠された事実を暴こうとする側との情報戦が回を追うごとに緊迫している。
先週は、新九郎が三成の息子かと疑っていた碁仲間の和尚(実は徳川の間者)を慶次が殴りつけ、「人の家まできてあれこれ嗅ぎ回るとは失礼ですぞ、和尚!」とラストでド迫力を見せた。