さだまさし自伝ドラマ「ちゃんぽん食べたか」好発進の要因は
中高年から絶大な支持を集め、「視聴率男の異名を持つ」(テレビ関係者)というさだまさし(63)。自伝的小説を原作としたNHK土曜ドラマ「ちゃんぽん食べたか」(総合、21時~)でも底力を発揮している。
5月30日の初回視聴率は5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。ゴリゴリの社会派ドラマ「64(ロクヨン)」を放送し、平均視聴率3%台に終わった前作とは対照的に、幸先のいいスタートを切ったのだ。
同作はバイオリニストを目指し、長崎から単身上京した“さだ少年”の青春ストーリー。原作者本人が自身のブログで、〈BSプレミアムドラマ史上最高視聴率だったって知ってた????〉とブッたまげるほど人気を博した「かすていら」(13年)の続編だ。
初回を見たコラムニストの桧山珠美氏は、「今後に期待と好感の持てる内容」とこう続ける。
「高度成長期の祝祭的な高揚感を表現し、作品の節々から当時の風俗も垣間見ることができます。ドラマを通じて中高年世代はノスタルジーを感じ、若年世代はネオ時代劇を見るような感覚で日本人のルーツに触れる。コシノ3姉妹を育て上げた実母を題材とした朝ドラの『カーネーション』や村岡花子の生涯を描いた『花子とアン』しかり、成功者の伝記モノは見ていて安心できるもの。コアな視聴者向きの『64』とは異なり、“ネオ時代劇さだまさし偉人伝”は世代問わず、楽しめる要素がてんこ盛りです」