「クッキングパパ」うえやまとち氏に聞いた“レシピの作り方”
週刊「モーニング」(講談社)の人気漫画「クッキングパパ」が今年5月、連載30周年を迎えた。先月には単行本132巻を刊行、世界で“ナンバーワン”の長さを誇るレシピ付き料理漫画だ。作家の、うえやまとち氏(61)にアイデアをひねり出す原動力を聞いた。
■どアホな料理が生まれると最高ですね
始まりは、1985年の2号連チャンの読み切りだった。
「新人賞の反響があり、とりあえず2回ってことで始まったわけですが、予定の回数が終わると編集者から『もう1話書きませんか』と。3回分書いたところで今度は『お疲れさまでした』。ところが、しばらくすると『もうちょっとやります?』。漫画っていうのは読者からの反応がなければ『お疲れさまでした』の世界ですが、早いもので30年が経ちました」
漫画の構想は毎回、料理から考える。料理本、料理サイト、プロの料理人、ご近所さん……あらゆるものからヒントを得て、自分でこしらえる。「僕は実践派。自分で何でもやってみないと気がすまない」。毎週のように難産を繰り返し、完成させたレシピを基に、「この料理は一体、登場人物の中で誰が一番おいしく食べるかを考える」。これまで1300超の料理を世に送り出してきた。