2015年を総括! 大高宏雄の胸を打った6本の映画
年末最後なので、筆者が選ぶ今年のベスト邦画、洋画を3本ずつ挙げてみる。何本かはすでに取り上げている。
■邦画
「天空の蜂」…原発を題材にした緊迫感あるサスペンス劇が出色であった。原発問題に触れたがらず、沈黙を決め込むこの国の民衆が犯人の口から猛批判されていて、ハタと膝を打った。
「恋人たち」…心が打ち震えるような作品であった。過酷な人生を生きるなかに、それでも力強い人間たちの生命力が随所にあふれ出てくる。素人俳優たちが困難に向かう登場人物たちを生々しく演じていて、とても感心した。
「深夜食堂」…田舎風情で冴えない役の多部未華子に惚れた。東京に来て、にっちもさっちもいかなくなった彼女は深夜食堂に雇われる。ここを足場にささやかな夢が実現していく。浮浪者のような臭いを放つ多部が、銭湯に入って溌剌とするシーンは、涙なくして見られない。
■洋画
「国際市場で逢いましょう」…本作こそ映画史上に残る涙なしで見られない作品。朝鮮戦争後、北と南に分かれた離散家族が再会を果たしていく感動的なシーンが胸を打った。涙はいつの間にか号泣に変わっていった。