地域映画で主演・監督 ゴリが考える沖縄の基地問題と笑い
糖尿病で酒を禁止されて入院している親父がシーミーのときだけ退院して、母親の写真を真剣に見つめてるから、まだ引きずってるんだと思ったら「アレ、飲んじゃダメ?」とお供えしていた泡盛を指したので、「何のために入院してるの!」とみんなでツッコみましたね。
沖縄には基地問題という「文化」も山積。
僕らは毎週末「沖縄花月」で沖縄新喜劇をやっていて、“笑って学べる沖縄”がコンセプト。沖縄の風習や文化を学べる構成にしています。でも、「僕らはこんなにツラいんです」と訴えているわけじゃない。
■東京だと張り詰めるボケも……
米兵役で(お笑いコンビ「ありんくりん」の)クリスが毎回絶対出てくるんですけど、彼が沖縄料理屋さんの看板娘に恋をして「君が僕と付き合ってくれたら、普天間返還してあげるから」とボケて「おまえじゃできないだろ」とツッコまれたり。クリスが「彼女を守ってみせる!」と言うと「日米安全保障条約で?」とチャチャを入れたり。
「君と付き合えないんならどうやって生きていけば……。家賃も光熱費も全部、日本の税金で払ってもらってるのに」とボケて、「十分だろ! どんだけもらうつもりだよ」とツッコまれたり。そうやって、いわゆる「思いやり予算(在日米軍駐留経費負担)」の情報を入れると、この事実を知らないお客さんが「へえ」ってなる。東京だと緊張感が張り詰めるようなボケでも、沖縄だとドカーンとウケるんです。特に、クリスのようなアメリカ人と日本人のハーフが言うもんだから説得力もある。沖縄には基地問題を笑える土壌があるんです。