連載小説<1> 四谷の大学の門の近くで自転車が爆発した
携帯電話が振動した。樋口顕は、内ポケットから電話を取り出した。同時に、ほうぼうで携帯電話が振動する音が聞こえる。
ただごとではない。
樋口は咄嗟にそう思った。警視庁刑事部捜査一課。殺人や強盗などの強行犯を担当する刑事部の精鋭たちだ。
樋口は殺人犯捜査第三係の係長だ。…
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