広瀬久美子 “1本の電話”から始まった永六輔さんとの交流
「広瀬さん、永さんから電話が入ってます」――。
NHKの人に言われた時はビックリしました。当時、私は土曜の午後からNHKラジオで「土曜サロン」という番組を担当してた。一方、永さんは同じ時間帯にTBSで「土曜ワイド」を担当してらして、私が言うのもおこがましいですが、言わば“ライバル”同士。その永さんから何の電話だろう、と。
さらに驚いたのはその後。電話口に出ると、なんと「広瀬さん、『土曜ワイド』に出てくれないか」ですって。なんでも、永さんの担当する番組で各局アナウンサーの人気投票をやったところ、私が1位になったので、「ぜひ出てほしい」というのです。
NHKの私が他局に出てもいいのか。上司に相談したところ、OKが出ました。同じ時間帯とはいえ、ちょっとズレていたので、5分程度おしゃべりして、NHKに取って返したのを覚えています。内容は――もう忘れちゃいました(笑い)。
永さんはその後もあちこちで「ヒロクミ、面白い」と宣伝してくれたり、私の番組を聴いた感想もしょっちゅう送って下さいました。本当に細やかな気配りの方で、私がフリーになった時は「事務所を紹介しようか」とも言って下さった。