制作8年 NHK渾身の「ドラマ 東京裁判」を識者はどう見た

公開日: 更新日:

 制作には戦勝国だったカナダ、オランダの両国も加わっている。主な舞台は法廷や判事室で派手さはないが、当時の建築仕様をほぼ忠実に再現したセットや国内外でのロケを敢行。そこに当時の資料フィルムも組み合わせているのだが、違和感はなく、さながら映画のワンシーンを見ているかのようだ。

 俳優陣も凄い。

「裁判長役のジョナサン・ハイドをはじめ、判事役のポール・フリーマン、マルセル・ヘンセマ、イルファン・カーンなどは、いずれも映画ファンだったらこたえられないキャスティング。ハリウッド映画の主役級の役者ではないのでピンとこない人もいるでしょうが、いずれも名作の脇を固めてきた演技派俳優です。豪判事なら豪州人、英判事なら英国人といった具合に、その国の俳優を起用しているのも、制作陣の作品に対する強いこだわりをうかがわせる。東京裁判は連合国側にとっても、自分たちの正義を示すという重要な意味を持っていた。それを日本の公共放送であるNHKがどう切り取るか。主張や描き方を注目したいところです」(映画批評家の前田有一氏)

 初回放送の直後からSNS上では右派左派がそれぞれの観点で意見を書き込み、騒ぎになっている。祖父の岸信介がA級戦犯として裁かれた安倍首相の感想も聞いてみたいところだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  4. 4

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  5. 5

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  1. 6

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 7

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  3. 8

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  4. 9

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 10

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  2. 2

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  5. 5

    パワハラ告発されたJ1町田は黒田剛監督もクラブも四方八方敵だらけ…新たな「告発」待ったなしか?

  1. 6

    矢沢永吉「大切なお知らせ」は引退か新たな挑戦か…浮上するミック・ジャガーとの“点と線” 

  2. 7

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 8

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは