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中川右介

1960年東京生まれ、早大第二文学部卒業。出版社「アルファベータ」代表取締役編集長を経て、歴史に新しい光をあてる独自の執筆スタイルでクラシック音楽、歌舞伎、映画など幅広い分野で執筆活動を行っている。近著は「月9 101のラブストーリー」(幻冬舎新書)、「SMAPと平成」(朝日新書)など。

ジャニーズとコミックに依存 フジ月9に“成功体験”の呪縛

公開日: 更新日:

■脱コミック、脱ジャニーズだけでは新しいものにはならない

 スター主義とコミック原作は「月9」の成功体験だが、これが「新しいこと」ができない足かせになり、スター俳優と人気コミックとを組み合わせればいいと、企画の貧困化を招いたといえる。

「月9」でも、14年は4作中3作、15年も2作がコミックか小説を原作としたが、あまり数字は取れなかった。しかし今年の4作は全てオリジナル脚本だったので、数字は取れなかったが、ひとつの変化だ。このオリジナル脚本路線がどうなるか注目したい(と思っていたのだが、来年1月に予定されている「突然ですが、明日結婚します」はまたもコミックが原作なのだが)。

 もうひとつの変化は、「カインとアベル」以外の3作は、ジャニーズ事務所のタレントを主演に起用しなかったことだ。特に木村はこれまで08、10、12、14年と1年おきに「月9」に出ていたのに、16年は出なかった。

 いい原作を他局に取られてしまい、木村のスケジュールを確保できなかっただけかもしれない。それに「脱コミック」「脱ジャニーズ」だけでは、「変化」ではあるが、「新しいもの」にはならない。しかし、その方向にしか新しいものはないだろう。

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