ドラマ「増山超能力師事務所」が過去作品と一味違う理由
先週、早々と“開店”した新ドラマ「増山超能力師事務所」(日本テレビ系)。舞台は近未来で、読心や透視や物体念動などの超能力が、社会的に認知され始めたという設定だ。「日本超能力師協会」なるものが出来たり、超能力師に「1級」「2級」といった認定資格が与えられたりしている。
主人公の増山圭太郎(ココリコ・田中直樹)は1級の超能力師だ。勤務していた会社を辞めて、探偵事務所を開く。所員として集めたのは篤志(浅香航大)、悦子(中村ゆり)、健(柄本時生)ら若手超能力師たちだ。
実際の探偵活動は今週の第2回からとなる。このドラマが過去の超能力物とひと味違うのは、超能力の持ち主たちが、自らの能力を「面倒くさいもの」「はた迷惑なもの」として持て余し気味であることだ。侵入してくる他人の声に悩まされたり、イジメの対象になったりと、ちっともヒーローっぽくない。この出発点がドラマのキモだ。
注目は3年ぶりの連ドラ主演となるココリコ田中である。NHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」の仲間・星野源がブレークしたが、俳優業では田中も負けてはいない。昨年は「砂の塔――」(TBS系)や「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)などで好演。今回の“座長”も堂々たるものだ。最も超能力者らしくない超能力者を、楽しく魅力的に演じている。