「日本が心配」養老孟司著
「日本が心配」養老孟司著
近い将来に起こるであろう巨大地震後の日本の行く末を憂う著者が、識者と語り合う対談集。
最初の対談者は、かねて2038年ごろには南海トラフの巨大地震が起こると明言している地球科学者の尾池和夫氏。これまで世界各地で起きた巨大地震を事前に予測し、警告を発してきた地震学の専門家だ。氏が、南海トラフ巨大地震発生の根拠について詳しく解説。さらに地震に付随する原発の問題や、地震に備えて日本の社会システムをどのように変化させるかにまで話が及ぶ。
都市防災の専門家・廣井悠氏によると、南海トラフ巨大地震では30都府県で約32万人が亡くなり、約238万棟の建物被害が想定されるという。被害のシミュレーションを行い、防災・減災対策について論じるなど、計4人との対談を収録。
(PHP研究所 990円)