大河「直虎」は脇役陣の“アナザーストーリー”が成否握る
NHK内で時折巻き起こる「女主人公」ムーブメント。
で、「おんな城主 直虎」。世俗から離れたい、身を引きたいと出家した女が、お家存続のために再び表舞台に引きずり出される物語。
一度退いた女の人生をどう描くかは興味深い。二人羽織のごとく操られて、主語のない人生を送るのか、ややご都合主義でも揺るがない芯を貫くのか。主演の柴咲コウ(35)にどんな試練を背負わせるかは、脚本次第だ。
大河は長丁場なので、他のドラマよりも脇役が肝に。アナザーストーリーを描く尺もある分、人物設定の厚みが要求される。そこで期待するのは3つの役割を担う人々。
1つ目は主役を支えるサポーター。これは、南渓和尚を演じる小林薫(65)が担うのだろう。ただの人格者で終わらせず、煮ても焼いても食えない、あこぎな坊主であってほしい。また、謀略と裏切り、悪意が渦巻くであろう井伊家内では、筆頭家老の高橋一生(36)に期待する。できれば必要悪に転じるか、報われない生涯を送ってほしい。高橋ほどの手だれなら、逡巡と苦悩、悲運を演じ切れるはず。