公開中の映画「フレンチ・ラン」 金正男殺害の手口と酷似
金正男殺害事件の真相を探る報道が連日続いているが、最も異様なのは実行犯の女2人の証言だろう。彼女らはネットアイドルを自称したり、テレビのバラエティー番組の収録と思っていたなどと、にわかには信じがたいとっぴな言い訳に終始している。
要は黒幕にだまされ操られただけというわけだが、映画「フレンチ・ラン」(4日公開)に、そんな彼女らの言い分を予言するかのようなシーンがあるという。映画批評家の前田有一氏が指摘する。
「テロ集団がフランスの極右政党ビルを爆破すべく、若い女の実行犯に爆弾入りの紙袋を持って潜入させる場面です。ところが実は彼女は親しい男性に頼まれただけで、自分が大量殺人犯になるとは思っていないのです。組織に捨て石としてスカウトされた点など、金正男事件の証言と符合しており、時節柄あまりにも不気味です」
映画は英仏米合作のクライムアクションで、主人公は偶然この女から紙袋を盗んでしまう凄腕のスリ(リチャード・マッデン)。そのため爆破テロ犯と疑われてしまい、当局とCIA捜査官に追われる展開となる。