松井紀美江さん 悪女役で引っ張りだこも“声”に悩んだ過去

公開日: 更新日:

丹波哲郎氏からの熱烈オファーが転機に

 さて、鎌倉育ちの松井さんが芸能デビューしたのは高校3年だった17歳。友人が受けたアイドル歌手のオーディションに付き添っていったところをスカウトされたのがきっかけだ。

「でも、歌手より女優の方が早く芽が出ちゃって、高校卒業前に郵便為替のテレビCMに出たのが最初でした」

 卒業後すぐにNHK大河「新・平家物語」(72年)に侍女役で出演、順風満帆かに見えた。だが、実はそうではなかったと松井さんは言う。

「私の声って、よく言えばハスキーボイス、悪く言うとドスの利いた低音じゃないですか。今でこそ、それで仕事のオファーをいただくのですが、当時はまだ20歳ソコソコ。何百人もの中から数人の最終審査に残っても、最後の最後で『容姿は文句なしだけど、声がなあ……』って落とされました。悔しくて何十回となくトイレで泣いたものです」

 心の傷が大きくなるばかりだったため引退。しかし故・丹波哲郎氏から「その声がいい。他にはいないじゃないか」と熱烈なオファーがあり、1年余りのブランクを経て復帰。再デビューは大竹しのぶ主演のNHK連続テレビ小説「水色の時」(75年)のウエートレス役だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    “路チュー”に続き所属タレントの書籍予約トラブル…STARTO社福田淳社長は「自分ファースト」!?

  5. 5

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  1. 6

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 7

    プーチンだけが丸儲け…米国&ウクライナ会談決裂にニンマリのロシアが描く青写真と警戒心

  3. 8

    注目される日銀の出口政策…次は時価約74兆円のETF(上場投資信託)の出番だ

  4. 9

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  5. 10

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?