松井紀美江さん 悪女役で引っ張りだこも“声”に悩んだ過去
ヒロインをイジメる悪女役が増えだしたのは、伊藤かずえ、渡辺桂子がダブル主演の「乳姉妹」以降。「プロゴルファー祈子」ではヒロインをイジメにイジメ抜き、最後は焼き殺そうとして逆に焼死してしまう家政婦役。これが迫真の演技と大評判となった。だが……。
「主人公を演じた安永亜衣ちゃんの少年ファンにスタジオのそばで待ち伏せされ、『おまえなんか死んじまえ!』って石を投げられたこともあったんです。でも悲しいとか悔しいとかは思わなかったわ。むしろ逆に悪女冥利に尽きる! ってうれしかったぐらいでした」
その後は日本テレビ系の「火曜サスペンス劇場」や「浅見光彦ミステリー」シリーズ、テレビ朝日系の「土曜ワイド劇場」などサスペンスを中心に活躍。前述のように朗読劇にも出演している。
「女優生活を振り返ると、丹波さんに出会っていなかったら、そしてあの時、嫌で嫌でしょうがなかった地声を『他にはいない』と褒められなかったら、女優復帰はあり得ませんでした。きっと全く違った人生を歩んでいたと思いますね」
自宅は鎌倉市内。独身である。