年400本TV出演の秘訣 ビビる大木は“自分を消せる”仕事人
大木にとって、テレビとは遊びの延長のように自分のホンネを言ったりする場ではないのだ。
もちろん、大木も最初は、ゴールデンの冠番組を持ちたいといった野望もあった。テレビの主役ならば、自分の思い通り遊びの延長でも許される。けれど、芸歴を重ね、その器ではないことを悟った。自分の司会の心得をこう語っている。
「視聴者に大木の記憶がなくてもゲストの印象が残ればいい」(「サンケイスポーツ」12年11月24日)
今では「あの番組に大木いたの?」と言われる方が成功だとまで達観している。そんなふうに思えるきっかけのひとつになったのが「トリビアの泉」(フジテレビ)だ。
この番組はもともと深夜番組。大木がちょうど「ビビる」を解散した頃に始まった。当時の大木はそれほど知名度はなかったが、パネリストに抜擢され、番組を盛り上げる欠かせない存在になっていた。
だが、「トリビアの泉」がゴールデンに昇格するとなった時、上層部から知名度で劣る大木はいらないのではないかという声が上がった。けれど、深夜時代からADを務め、ディレクターに昇格した2人が「大木さんありきじゃなきゃ嫌だ」と強硬に主張し、番組に大木を残したのだ。