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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

タレントを育てて売る…「オフィス北野」が忘れていた基本

公開日: 更新日:

 たけしは森社長を信頼。経営面にタッチしていなかったが、事態に気付いたことで激怒したという。軍団のギャラは歩合制。仕事の単価、量によって収入は変わるのが芸能界の仕組みだが、たけしは連載する週刊誌誌上で「軍団のメンバーが食えなくてヒーヒー言っている状況があった」と、仕事を持ってこないマネジャーを非難している。

 確かに、タレントの仕事を取るために営業するのがマネジャーの仕事だが、タレントは実績が求められる競争社会。一概に事務所だけを責められない。軍団が結成されてすでに30年を超えるが、完全に一本立ちしているタレントは少ない。たけしは浅草時代、師と仰ぐ芸人のもとで修業。師の上を行く弟子になった。軍団も師弟関係にあるが、大半は「たけし番組専属のタレント」と言われ、いまだに完全脱皮した感はない。

 たけしは軍団に金銭的なサポートはしたが、肝心な弟子を一本立ちするまでに育てられなかった。軍団独立後に知事になり飛躍した東国原英夫のような人材を育成していれば、たけしに代わる事務所の屋台骨になり、展開も変わっていたはず。「タレントを絶やすことなく育てて売る」という芸能事務所の基本を忘れていたように思う。

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