西城秀樹さんのロック愛 音楽評論家・湯川れい子氏が述懐
西城秀樹さんとは、2015年4月にポール・マッカートニーの東京ドーム公演のVIPルームでお目にかかったのが最後になりました。お元気そうにお見受けしたので、今回の訃報は、あまりに突然で、とても驚きました。
西城さんは、私が作詞を手がけたフランツ・フリーデルの「Do You Know」(1966年)をカバーなさっています。84年、47枚目のシングルだったでしょうか。実はそれ以上に思い出に残っているのは、バリー・マニロウとのデュエット曲「腕の中へ―In Search of Love」(85年)をリリースされたときのことです。彼は当時、バリーの自宅があるロサンゼルスによくいらしていました。私の知人が営むレストランでご一緒した際は、音楽談議に花を咲かせたものです。バリーのヒット曲で、西城さんもライブで歌っていた「コパカバーナ」への思いも熱く語ってらっしゃいましたね。
西城さんはもともとロック青年でした。1971年に初来日したレッド・ツェッペリンの伝説の広島公演も生で観覧したそうです。小学3年生のときに、3大ギタリストの1人に数えられるジェフ・ベックに夢中になり、バンドも結成された。根っからのロッカーでいらしたんです。