レイザーラモンRG出渕誠さん<2>社内行事も1人だけ欠席した
コミュニケーションもおろそかにしていた。夜、飲みに行こうと誘われても「お笑いの仕事が入ったので」と断った。全員参加していた社内のソフトボール大会も、ひとりだけ休んでオーディションを選んだ。
「社員寮に住んでいて、毎晩寮母さんがご飯作って待っていてくれてたんです。それなのに『今日は遅くなったからいらないです』と断ることも増えて……。こんな僕の態度に冷たく当たる先輩もいましたが、孤立する僕を気にかけて『ここで休憩すんねん』と喫茶店に連れて行ってくれた先輩もいましたね」
営業所では土曜出社もあった。昼食時は、控室で吉本新喜劇を見ながら「俺も本当ならここにいるのに」と悔しさを感じたという。
「そのあと新喜劇に入れましたけど、『あいつ頑張っているな』と思ってくれていたらいいな、なんて思います」
入社3カ月の頃、オーディションを見に来ていた先輩芸人から営業のオファーが増えてきた。
=つづく
(取材・文 小野真依子)