東京五輪でダンスブーム到来も…振付師が抱えるギャラ問題
■リオ五輪の“安倍マリオ”ダンサーは10日間拘束で10万円
ところが日本にはまだまだダンス・振り付けのスキルを見極められるイベンターは少なく、ギャラはピンキリ。特に五輪関係は激安で、前回の“安倍マリオ”が登場した「リオ五輪」閉会式(写真)は、大会場でのパフォーマンスは特に時間を要するため、国内リハーサル10日以上、現地10日前入りにもかかわらず「ダンサーのギャラは10万円」(事情通)だったという。最近は東京五輪関連の振り付けの打診がきているというが、競技によってギャラ格差が激しい。そこへきてキャリアのない素人振付師が激安で仕事を受けてしまうため、ギャラの価格崩壊も起こっているというのである。この状況にコレオグラファーのavecoo氏がこう言う。
「アメリカのように日本のダンサー業界も労働組合が必要だと思います。パフォーマンスは短時間でも積み上げた期間の長さを評価すべきで、仕事について最低賃金を決めれば、それに見合う作品があげられない振付師も淘汰される。五輪というタイミングで心に残るパフォーマンスをたくさんつくるためにも、そのくらい厳しい下限も必要です」
五輪で人手不足なのは建設業界だけではない。「ハリボテの東京五輪」にしないためにも、エンタメ業界の改革も急務だ。