追悼・樹木希林さん 貫いた“奇妙な夫婦愛”と“ドケチ伝説”

公開日: 更新日:

 希林さんが家族にみとられて最期を迎えようとするとき、内田と電話がつながり、意識が遠のく中、その声を電話のスピーカーを通じて聞いていたという。希林さんは生前、「自宅でみんなに囲まれて、夫には『どちらさまですか』と言って死にたい」「また生まれ変わることがあるのなら今度は出会わないようにしたい」ともコメントしていたが、2人にしかわからない夫婦愛を貫いた生涯だった。

 一方、仕事ではこんな一面もあったそうだ。

「若手の役者に対しても面倒見が良く、セクハラやパワハラから彼らを守ってあげる女神でもあったとか。どんなに大物になっても、弱い立場からの目線を忘れず、同じ立場に立ってあげていたのでしょう」(芸能プロデューサーの野島茂朗氏)

 ある映画関係者はこう振り返る。

「ロケ地までマネジャーも伴わずにおひとりでいらっしゃる。しかも、新幹線のグリーン車のチケットを送ったのに、それを普通車に買い直して。衣装も自分で持参されるなど、とにかく気を使われたり、余計なお金がかかるのを嫌う方でした。その一方で低予算映画でも知り合いならほぼノーギャラで出演することも。また、『祝儀、不祝儀2000円』といって結婚式でもお葬式でも金額は一律。ケチにも見えますが、見えを張ることなく、独自の価値観で生きた方でした」

 日本の芸能界を牽引してきた希代の大女優がまたひとり、この世を去った。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小室佳代さんは眞子さんを「配偶者」と呼び、秋篠宮さまは圭さんを「夫の方」と呼ばれ…自伝本が深めたミゾ

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 4

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 5

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  1. 6

    小室圭さん母・佳代さん まさかの「自伝本」出版に宮内庁が困惑…“魂の訴え”で秋篠宮家にまた逆風か

  2. 7

    三田寛子はアイドルから“梨園の妻の鑑”に華麗なる転身も…夫の不倫癖で扇千景さんの境地になれない

  3. 8

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  5. 10

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声