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片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

温泉場のストリップの帰り道「しみじみしちゃうよなぁ」

公開日: 更新日:

 清志郎のロックにかける情熱は、どこか求道者のようなストイックさがある。聴衆や権力にこびることなく、オリジナルの音楽を終生、追求し続けた。その隠し味とも言うべき、清志郎のセンスはどこにあるのか。

「それは、何か少し『外す』ことだと私は思うのです。例えば、清志郎さんのメークはアイシャドーがはみ出たりして、外見をキレイにするためのものではないし、音楽についても『完璧過ぎるのはおもしろくない』と。後年は『汗で落ちていくメークも、またいいもんだよ』とも言ってました。それに、存在そのものが、そこはかとなくキュートだとも思います。そもそも、清志郎さんがド派手なメークと衣装で楽屋でコーヒー飲んでたり、廊下で鉢合わせしたりすると、こちらはかなりびっくりするわけで、そこでは現実とワンダーランドを共存させながら、そのどちらからも外している。耽美的なビジュアルバンドとは違う。そこにまた平然としたたたずまいでいる清志郎さんは、道化一歩手前のトリックスターのようにも思えます」

 片岡さんは、清志郎と行ったストリップ劇場でのエピソードを懐かしむように語り出す。

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