会報でファンに本音「闘病生活が大変だとか思わないで」
2008年2月10日、「忌野清志郎 完全復活祭 日本武道館」が開催された。
開演時間の18時過ぎ、清志郎を待ちわび、割れんばかりの手拍子が武道館に大きく響く。場内が暗転、「君を呼んだのに」(1982年)のイントロとともに、ステージ上方の巨大スクリーンに療養生活中の清志郎が映し出された。
「それは、髪の毛がまるっきりない坊主頭の清志郎さんでした。抗がん剤の副作用が出た姿から、毎日、自撮りで記録写真を残したんですね。写真は走馬灯のようにコマ送りされ、徐々に髪が伸びて、ついにはメークをした衣装姿の清志郎さんになった。大歓声と涙の素晴らしいオープニングでした」
清志郎はどうしてそこまで、自分をさらけ出すのか。
「生来のエンターテイナーぶりには驚かされるばかりです。深刻な状況下でも、俯瞰して自分を見る絶妙なバランス感覚と、たとえ転んでもただでは起きない表現者の魂。写真の中には時々、レゲエのカツラや夜店のお面をかぶったり、ところどころに自画像も紛れ込ませていた。どんな時にも、ユーモアを忘れない清志郎さんがいます。人を楽しませることで、自分も楽しんでいるように思います」