尊敬するJBを深化させた“マント・ショー”で客席盛り上げる
清志郎は、リスペクトするジェームス・ブラウンの「マント・ショー」を発端に、ライブに取り入れていた。「マント・ショー」とは、ライブのクライマックス、激しいパフォーマンスに力尽きて膝から崩れ落ちたJ・Bが、スタッフからマントを掛けられステージを下りる、と見せかけて、突如マントを振り払い、再度マイクに向かって歌い始める。それを何回も繰り返す、一番の見せ場。
「清志郎さんは、スパンコールのロングマントを思い切り跳ね飛ばします。08年、完全復活祭の武道館では、ステージ上に敷いた布団で眠り、冬眠から復活したとばかりに、掛け布団を足で蹴上げるシーンがありました。その時、なんと、蹴り上げた布団をすかさずマント代わりにしたんです」
客席が爆笑と大声援だったことは言うまでもない。布団をド派手に飾るのは片岡さんの係だった。
「冬のライブで、演奏中にステージにしつらえたコタツに入ってくつろぐ異色の演出がありました。コタツを思いっきりひっくり返した清志郎さんは、マント代わりにコタツを背中に担ぎあげて、ステージを歩き始めた。あれには心底驚きました(笑い)。なにをするにも面白がって、過剰に演出。清志郎さんは大なり小なり新しいアイデアを次から次に見せるので、ファンもメンバーも、スタッフさえも飽きないのです。プライベートで、スタッフの結婚式に余興のお笑いトリオを組んで、それもすごく熱心に台本を練ってリハを重ねていた。くだらないジョーダンや思いつきで、人を笑わせたりビックリさせることが大好きですね」