制作費10年で30%減…断トツでコストカットに奔走するフジ
10年以上前まではどの局よりもカネをかけて番組を作っていたのに、いまでは万年4位のフジ。
「その削減率はざっと30%に及び、全局の中で最も高い比率となっている。しかも、現在も圧縮し続けているとなれば、コンテンツの制作能力や質の低下をもたらしてもおかしくはない。更なるコストカットをするには番組を一から作る必要があり、おのずと改編率は高くなります」(氏家氏)
今春の改編では大ナタを振るい、フジは3割近く番組を入れ替えたのもうなずける。
■テレ朝は“高止まり”
その一方でイケイケのテレビ朝日の制作費は前年度比に限らず、毎年度の変化を見てもここ数年は高い水準で推移しているという。先月、実に王者・日本テレビから5年4カ月ぶりに月間全日帯で視聴率トップに躍り出たが、その立役者のひとりである「リーガルV」主演の米倉涼子(43)の出演料は、「最上位ランクの1話あたり600万円~」(大手広告代理店マン)とも。番組制作費には出演者のギャラも含まれるだけに視聴率同様、“高値安定”に影響を及ぼしているといえそうだ。
むろん、制作費を削るばかりでは、視聴者が面白いと思う番組は生まれない。スローガンに「もっと変える もっと変わる」を掲げるフジ宮内正喜社長。今度こそは有言実行となるのか。