「団十郎」襲名の海老蔵が「白猿」に込めた暴行事件の自戒
■再婚よりも
「歌舞伎界ならびにそのファン、いわゆるひいき筋にとって、団十郎は尾上菊五郎と並ぶ大、大、大名跡です。その2大名跡を表彰して毎年5月恒例の団菊祭があるほどですから、そのひとつが不在では物足りないし、おかしいのです。そこが大前提としてあります。今の海老蔵さんは以前とは違い、十分しっかりされている。勸玄くんといい、襲名にはぴったりの時期なのですから、今は何より襲名を祝いたい。あとはドーンと構えるような妻。これには大企業の令嬢であるとか、日本舞踊をやられているようなタイプが望まれるのでしょうけど、こちらは今の海老蔵さんが望んでいないのですから仕方ない。今は何より襲名を祝おうというところなのです。米倉さんとはないと思います」
最愛の妻の死という不幸を乗り越えて、梨園関係者の間からも「見違えるように大人になった」という声が上がる海老蔵。「白猿」に込めた謙遜と自戒の念からも、大名跡「団十郎」襲名にかける静かな決意は伝わるが、関係者は“豹変”しないことを祈るばかりだろう。