引退はマイナスだった…忘れ去られることは一番の致命傷

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 それでも、何とか頑張らないといけない。食べていけないからだ。

 芸能界に出戻ってから、仕事に対する考え方が変わっていた。東洋経済での起業家インタビュー連載などで鍛えられ、物書きになりたいのにオファーは暴露本ばかりという経験から、仕事のありがたみがようやくわかるようになっていた。

 アイドル時代には正直、仕事は「やらされる」ものだと思っていた。それが「やらせてもらっている」になったのだ。

 だから、踏ん張れたんだと思っている。芸能人として一時は引退を発表し、活動していなかったのはマイナスだったと、周囲から言われ続けた。芸能人として、一番の致命傷は忘れ去られることなのだと。

 確かに人気は落ちて、それを取り戻すすべもない。インタビューでは、私に興味も関心もないのが伝わってくることもあった。それでも現実を受け入れるしかない。

 一般社会での経験は、人として成長させてくれた。振り返れば、つらい時期だったけれど、自分の人生には必要だったと思う。

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