漫画家バロン吉元さん 師匠・横山まさみち氏との一枚
収入はすべて最新ファッションに
横山プロは、3年で卒業。出版社に作品を持ち込んだが、どこも不採用。
「当時はバイトなどで月に20万円ほど収入があったけど、ほとんどが着るものに化けました。アイビーだコンチだって、生意気盛り。日本のファッションイラストレーターの草分けである長沢節氏の『セツ・モードセミナー』で学んだので、ファッションにはうるさい(笑い)。スリーピースにアタッシェケースというのが私のファッション。漫画家の定番のベレー帽、原稿を詰めたよれよれの紙袋スタイルは大嫌い。ただし、ダンディーに決めたはいいけど、出版社の人には受けが悪かった。仕事をもらうには同情を引く格好でなければダメだったんですね。ハハハ」
そんなバロンさんをモンキー・パンチと二枚看板で売り出したのが67年創刊の「漫画アクション」だった。やがて戦後マンガの金字塔といわれる「柔侠伝」シリーズの連載がスタートする。
「横山先生は03年に亡くなりましたが、私の漫画の基礎を築いてくれた方だと今も感謝しています。あの時代の私やモンキーさんを副主人公にした吉本浩二さんの漫画『ルーザーズ』が『このマンガがすごい!2019』の第7位に選ばれました。ぜひ読んでみてください」
■画業60週年記念展が開催中
「画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年」が3月31日まで文京区・弥生美術館で開催中。貸本マンガ時代の珍しい原画や初公開となる大型絵画の最新描き下ろし作品など250点以上を展示。10日はサイン会あり。