震災から8年…避難先の皆さん、たまには映画で気晴らしを
東日本大震災から8年経ったが、誰も心の痛みと絶望感は決して消えるものではない。被災地の人々だけでない。我ら、東京に住む人間の心も晴れやしない。福島の原発が水素爆発したニュース映像を見せられた時、鳥肌立って恐怖にかられ、どこに逃亡したらいいのか、パニックになったのを思い出す。今でも壊れたままの原子炉内部はどうなんだ? 安心など出来るわけがない。しかし、政府と東京都だけがオリンピック開催に躍起になって「おもてなし」の支度に追われて浮かれている。ふざけやがって。たった何週間かの祭りより、被災地のためにすることがあるだろうが。
避難したままの人たちがまだ5万人以上いる。危険極まりない所になど帰れやしないのだ。そんな人たちのせめて気晴らしになればと思い、面白い映画を並べてみた。実はこれらは数年前から「関西ウォーカー」の連載で取り上げてきた「井筒和幸監督の昔の映画は良かったなぁ。」の映画群だ。今月いっぱいで連載が終わってしまうので紹介したい。しばし、時を忘れられるなら本望です。
中2の時に目に焼きついた「ブルー・マックス」は複葉機の空中戦。マイアミのキューバ移民ギャング「スカーフェイス」はアル・パチーノ全力投球。「ザ・ドライバー」のライアン・オニールのカーチェイスは圧巻。「バルジ大作戦」は生まれて初めての70ミリ3時間超大作。「フレンチ・コネクション2」はポパイ刑事がフランスに乗りこんで麻薬王と死闘。「ゲッタウェイ」は言わずと知れたカッコ良過ぎのマックイーンの逃亡劇。最も面白い邦画は「飢餓海峡」。デ・ニーロがモヒカン頭で現れた「タクシードライバー」は何十回見ても酔える。ベトナム帰還兵の「ローリング・サンダー」はハードボイルド復讐劇。戦争スパイアクション「荒鷲の要塞」の若きC・イーストウッド。「突破口!」は映画の神ドン・シーゲル監督の銀行ギャングもの。黒人刑事対白人署長の「夜の大捜査線」。伝説のゲテモノホラー「遊星からの物体X」。J・ニコルソンの逸品は「さらば冬のかもめ」。「真夜中のカーボーイ」はダスティン・ホフマンの名演。「ブリット」もマックイーンがムスタングGTで爆走。「史上最大の作戦」は問答無用の戦争巨編。「ゴッドファーザー」を知らない人は不幸だ。「ロンゲスト・ヤード」は娯楽の王道。ペキンパーの「わらの犬」もヤバい。「バリー・リンドン」はキューブリックのリアリズム時代劇。「デリンジャー」は愛しのギャングたち。緒形拳の「復讐するは我にあり」。ブニュエルの傑作「自由の幻想」、「現金に手を出すな」は仏製ヤクザ映画の傑作。やっぱり「ダーティハリー」かな。「グッドフェローズ」もマフィア最高!
避難先の皆さん、たまには映画で気晴らしを。