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山田勝仁演劇ジャーナリスト

「世襲戦隊カゾクマンⅢ」アベが嫌いな戦後民主主義を体現

公開日: 更新日:

 プロジェクションマッピングを使ったアクションシーンも面白い。抱腹絶倒の娯楽作ながら、その中にDV(ドメスティックバイオレンス)やその国家版である大国の横暴など今の世相がチクリと風刺されている。

 ヒーローの原点である「月光仮面」の生みの親である川内康範氏の正義の味方大原則は「憎むな・殺すな・赦(ゆる)しましょう」という戦後民主主義の根本原理だった。復讐の連鎖を食い止めようとするカゾクマンにその精神が受けつがれているが、それをぶち壊しにする国家に対する憤りも込められていた。

 山口良一、熊谷真実ほかキャストの息がピッタリ。痛快な大人の寓意劇としても秀逸。

 東京公演は終了。福岡、鹿児島、大阪、愛知など全国巡演。

 (★★★)

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