著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」歌姫の歌唱競演が圧巻

公開日: 更新日:

 歌唱、ダンス、演技、照明、音響……どこを取っても難じる点のない超一級の舞台だ。

 凜とした立ち姿が「男前」の柚希の内奥からほとばしるパワフルで艶のある歌声。そして、ソニンの繊細で抑制された深みのある歌声が全編にみなぎる。秘めやかだったソニンの大詰めの爆発的歌唱は身震いするほど。

 実咲凜音、清水くるみ、石田ニコル、谷口ゆうなら女工のソロ歌唱がまた圧倒的な素晴らしさ。戸井勝海、剣幸らベテラン勢が脇を固め、舞台に厚みを加えた。

「私たちは娼婦でも奴隷でもない。自由のために、明日を生きるために闘う」

 舞台の通奏低音である女たちの闘いの歌。

 男女共同参画時代といわれるが、日本では働く女性への理解はまだまだ浅い。その意味で、この舞台は現代社会に通じるメッセージ性を内包している。自由への闘いを描いた“女たちのもう一つのレ・ミゼラブル”ともいえよう。赤坂ACTシアターで9日まで。25~27日は大阪・梅田芸術劇場。 

★★★★★

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に