15歳の朝倉あきさんに芸能界入りを勧めた祖母との思い出
“筑後弁”を注意され撮影がストップ
入院する前、「必ず元気になって戻ってくるからね」と言ったのが最後の会話でした。その時、和紙に包んだお小遣いを手渡してくれました。後で開いたら、「あきちゃん、元気でね。これで好きな本を買いなさい」と達筆な字で書かれていて、今もお守り代わりに大事にしています。
事あるごとに田舎に帰っていたせいか、体に筑後弁がしみついているようで、ドラマの現場でよくイントネーションを注意され、そのたびに撮影がストップ。これにはさんざん悩みました。アクセント辞典を肌身離さず持ち歩き、猛勉強をしたので最近はなんとか大丈夫のようですが(笑い)。
今はきちんとした筑後弁が話せるように勉強しているんです。方言はぬくもりがありますよね。歴史が大好きなので、土地に刻まれた言葉の歴史を大事にしたいんです。それが私を育んでくれた祖母や故郷、家族への恩返しだと思っています。
(聞き手=山田勝仁)
◆二兎社公演「私たちは何も知らない」(作・演出=永井愛)に平塚らいてうの役で主演。明治から大正期に発行された雑誌「青鞜」の編集部を舞台に、封建的な社会に忖度せず声を上げた“新しい女たち”を描く青春群像劇。11月29日~12月22日、池袋・東京芸術劇場シアターウエスト。