マイク・タイソンも転向「ビーガン映画」真っ盛りの背景
トップアスリートが多数出演し、菜食主義によっていかに好成績を残したかを語るドキュメンタリー。製作には「アバター」(09年)などの映画監督ジェームズ・キャメロン、ジャッキー・チェンらそうそうたる顔ぶれが並ぶ。
出演者は、自転車競技で最年長(39歳)五輪メダリストとなったドッツィー・バウシュ選手、怪力自慢のストロンゲストマン競技で世界記録を持つパトリック・バブーミアンはじめ多数。およそ「草食」で勝てるとは思えぬパワー系の種目も含め、最高峰の選手たちが口をそろえて菜食主義を賛美する姿はインパクト大だ。極め付きは“ターミネーター”ことアーノルド・シュワルツェネッガー(72)が高重量でのトレーニング姿を公開し、ベジタリアンに転向したと話す場面だ。これでは思わず、自分も始めてみようと思ってしまう。
「とはいえ、劇中では卵や乳製品もNGの厳密なビーガンと、そうでない菜食主義者が混在。また、菜食こそ人類にとって唯一無二の正解と断じながら、動物性食品に多く含まれるビタミンB12は欠乏しやすいのでサプリでとりましょうと主張するなど矛盾も目立ちます。確かに貴重な証言も多く、演出も派手で面白いのですが、ルイ・シホヨス監督はかつて『ザ・コーヴ』(09年)で和歌山・太地町のイルカ漁を盗撮したり、あまりに偏った内容で批判されたこともあります」(前出の前田氏)
野菜だけ食べてもタイソンになれるわけじゃなし。真似するのもほどほどに。