吉川晃司「探偵・由利麟太郎」はハマり役 ドロドロ感が吉

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「横溝作品は『犯人は誰か』を当てるよりは、複雑な人間関係を紐解いたり、『事件の影にこんなにもむごい事実があったのか』などを知ったり、猟奇的でありながら耽美さもある世界を楽しむのが醍醐味だと、私は思っています。血脈関係のドロドロ、男女関係のドロドロさがあってこその横溝作品。現代ドラマでは描きにくくなったそのあたりを、『由利麟太郎』はしっかりと描いていると思います」

 確かに、第2話は猟奇的な内容で血みどろシーンもあった。コンプライアンス最優先となっている現代のドラマ界において、果敢な挑戦をする、なかなかの意欲作といえるだろう。しかも放送時間は深夜ではなく、午後9時台のゴールデンタイムなのだ。

 前出の葉月氏は「金田一耕助は、石坂浩二さんをはじめとして、これまで多くの俳優さんが演じてきました。でも由利麟太郎は、1998年に2時間ドラマで石坂さんが演じたきり。先入観がないぶん、由利麟太郎=吉川晃司という認識が今回のドラマで視聴者の頭に刷り込まれたと思います」と、吉川でのシリーズ化に期待しているそうだ。

「探偵・由利麟太郎」は全5回と通常の連ドラより短くはあるが、まだまだ見どころがありそうな予感。54歳にして地上波連ドラ初主演となった吉川。由利役を役者としての代表作にしてほしいものだ。

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