ジャルジャル後藤淳平の野望「欲深いんで夢は尽きない」

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 お笑いコンビ「ジャルジャル」後藤淳平(36)の初単独主演映画「ロックンロール・ストリップ」(ベストブレーン配給)が14日から公開となる。大阪のストリップ劇場を舞台に、映画監督を夢見る劇団座長が、売れない劇団員と奇跡のパフォーマンスを繰り広げる痛快エンターテインメント。主人公の木村勇太は理不尽な環境に七転八倒するが、後藤自身の下積み時代はどうだったのだろうか。

  ◇  ◇  ◇

「主演と聞き、僕の出来次第で作品の良し悪しが変わるんちゃうかと不安だったんですが、芸人を始めたときと重なる場面が多かったので、振り返って演じましたね。芸人も最初はお客さんを集めるのに苦労します。自分たちで場所を借りて、舞台を組み立て、手書きのチケットを手売りして、やっとの思いでライブをしても全然ウケなくてアンケートぼろくそ書かれて……。一生この生活なんちゃうかって思うような日々でした」

 ジャルジャルの名前が全国区になって久しい。夢は達成されたようにも見えるが、さらなる野望はあるのだろうか。

「欲深いんで夢は尽きないです。海外の単独ライブでは、『日本から来たコメディアンです』って自己紹介してもウケないんです。コメディアンの間口は狭く、アートのほうが受け入れられやすい。でも、僕らはただ笑わせたいだけやから、“笑い”というコンセプトで挑戦したい。作家の倉本(美津留)さんに『アートのような構成のネタが多い』と太鼓判をいただいたので、いつかパフォーミングアートのような見せ方ができればと、コツコツと取り込んでいます」

「結果アカンかったとしても芸人を辞めることはない」

 ユーチューブやオンラインネタサロンを開設。コロナ禍でも毎日1ネタをアップし、SNSでの話題を絶やさない。走り続けるために大事にしてきたモットーは?

「ベタですけど、初心を忘れずにですね。高校の頃、相方とお笑いして遊んでいたときのワクワクを忘れないということ。原点を忘れなければ何があっても大丈夫。お笑いを仕事にできて、お客さんに笑ってもらえるのはなんてぜいたくなことなんだろう、これ以上何を求めんねんって。最近では周り人たちも幸せな気持ちなってもらえる生き方をしたいなと思っています

 芸歴17年。初心を忘れず、単独初主演に臨んだ本作は世代を問わず、野心に燃える人たちに見て欲しいという。最後に芸人になる夢をかなえた“決め手”を聞いた。

「あがくのは大事。その時間は全く無駄ではないし、そうしなければ見えてこないこともある。僕も当時は先が見えなくて悩んだけれど、結果アカンかったとしても芸人を辞めることはないし、一生やるんやし、だからそんなに悩まなくてもええかなって考えたら楽になりました」

(聞き手=白井杏奈/日刊ゲンダイ)

▽ごとう・じゅんぺい 1984年、大阪府出身。NSC大阪校25期生。2003年に福徳秀介とお笑いコンビ「ジャルジャル」結成。フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(2010~18年)に出演するなどバラエティー番組で活躍中。 現在はユーチューブ「ジャルジャルタワー」「ジャルジャルアイランド」、ネタサロン「ジャルジャルに興味ある奴」を開設。

ロックンロール・ストリップ

『ロックンロール・ストリップ』

原作:木下半太『ロックンロール・ストリップ』(小学館文庫)
監督・脚本:木下半太
出演:後藤淳平(ジャルジャル)、徳永えり、智順、三戸なつめ、坂口涼太郎、やべきょうすけ/木下ほうか ほか

8月14日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

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