「づめさんくらいうまい役者の芝居を見ると情けなくなる」
2018年には柄本明と、ハロルド・ピンター作の不条理劇「誰もいない国」を演じている。
「えもっちゃんとは同世代ということもあって仲良くなって、俺を『兄い』と呼ぶ。それで誘いに乗ったんだけど、ゴドーに輪をかけてセリフが難解でさっぱりわからない。『ねえ、これ、面白いの?』って聞いたら、『わからないから面白いんだよ』と言う。やってるうちに本当に面白くなってきたから、芝居ってのは奥が深いよね」
三郎と柄本の不条理劇、ぜひ再演してもらいたい。=つづく
(聞き手・吉川潮)
▽いしくら・さぶろう 1946年生まれ、香川県小豆島出身。本名は石原三郎。高倉健の紹介で東映東京撮影所の大部屋俳優になり、任侠映画などに出演。その後、演芸界に転身。コント・レオナルドを結成し活動するが、85年に解散し俳優に復帰。出演作多数。