「恋あた」ヒット要因はドラマ王道の四角関係ともどかしさ
いつもクールに、自分の気持ちですらコントロールできているかのような浅羽が、初めて揺れ動いたのは7話終盤。樹木から贈ったスノードームを返され、新谷から樹木と付き合うことになったことを聞かされた時のことだった。
浅羽は自分を吹っ切って前を向こうとする樹木の姿に、初めて後ろ髪を引かれ、この7話を契機にそれぞれに動きが見られ、物語も大きく動いた。
大切な人を繋ぎ止めておきたいという気持ちも、大切な人が離れていかないようにライバルを捕まえておいて欲しいという気持ちも、相手を思うが故に身を引いてしまう気持ちも、どれも痛いほどわかる。4人とも自分の気持ちと葛藤し、苦しんでいることが画面越しから伝わってくる。
さらに12月8日放送の8話で、浅羽が自分の本当の気持ちに気付き、ここから物語はエンディングへと加速を始めた。誰かが傷つく結果になることは必然だろう。しかし四角関係にありがちな「性格の悪い嫌な人」は一人もいない。
だからこそせめて、その中に新たな糧となる救いがあってくれたらと画面の前で強く願わずにはいられないのだ。