浅沼父が無表情パンツ一丁で野菜炒めの皿を「ガシャーン」
しばらくすると野菜炒めを完成させた親父が僕らのいる部屋の中央にあったテーブルに到着。その時、僕はなぜか一瞬テーブルを見ました。見ると、テーブルはガラス製の取り外し可能なやつで、その日はたまたま浅沼が奇麗に拭くためにガラスを外していたのです。
つまり、実際はそこにはテーブルの脚しか存在していなかったのです。パンツ一丁で野菜炒めののった皿を持った親父は、これから始まるディナーに向けて権力者が権力で女を抱くような顔をして、あるはずのないテーブルに視線をやりました。そして、皿を、置きました。空中に皿を置いたのです。一瞬、皿が気を使って1秒くらい頑張って宙に浮いた感じもしましたが、「ガシャーン」。皿は地面に落ち、野菜炒めは飛び散り、親父の白いパンツのちんこのとこに汁が付いていました(最初から付いていた何かかも)。
部屋は物凄い緊張感に包まれ、誰もが沈黙。僕は気まずくて何も言えず、浅沼も下を向いて黙ってどうしたらいいのか分からない状態。そんな状態で親父が、初めて口を開いて言いました、「やはりな」と。
そして親父は落ちた野菜炒めを手で拾い、何回か口にしていました。僕はいまだにあの時の「やはりな」の意味が分からずにいます。そしてあのちんこのとこの汁は最初からか、後からついたものなのかも。