「それくらいのこと」と思うオジサンたちの感覚がもう駄目
森氏への批判は「いじめ」と言うのもおかしい。「いじめ」とは「言われなき差別」であり「容姿」や「性差」や「出自」を理由に仲間外れにしたりすることだ。権力を持つ人間を市民が批判し、デモしたり抗議したりするのとは構造が違う。
そもそも森氏の発言は「失言」ではない。言い間違いや事実誤認で出たものではなく、リップサービスで「本音」が出たものだ。その場の人々を笑わせるには「日頃から誰もが感じていること」を指摘するのが常道だ。
「女性が多いと我も我もとしゃべるから会議が長くなる」(最近この事実が「女性は話が長い」というふうにすり替わっているが、こちらが正しい)と言ってどっとウケたのであるから、皆がそう思っていたのである。そここそが問題なのだ。これこそ不寛容の同調圧力だ。
そしてオジサンたちは「ウケ狙いで言った冗談にそんな目くじら立てなくても」と思っている。現に二階幹事長は「そのようなことで」と森発言はたいしたことではないという表現をしている。これがもう圧倒的に駄目駄目なのだが、きっと死ぬまでわからないだろう。
森氏は辞任すべきだ。オリンピックの長にはふさわしくない。
後任には私は柔道の山口香さんがいいと思うのだが、ご本人にはその気がない。なって欲しいと思うような人は、得てして権力にしがみつきたくはないという人たちなのだ。