ウォルトディズニーになろうとしたワンダ会長王健林の野望

公開日: 更新日:

 一方、「中国版ウォルト」王健林は、本家ディズニーを上回るペースで11カ所ものテーマパークを開設。上海ディズニーランドに対抗するように同時期の江西省にオープンするなど対抗心を隠そうともしなかった。

 これら建設ラッシュは専門家も採算性に疑問符をつけるほどで、じっさい施設の一部はのちに売却を余儀なくされたものの、それでも彼は立ち止まることなく映画・エンタメ業界の王となるべく突っ走っていった。

 そんなトップの強い影響のもとで作られたのが「グレートウォール」というわけだ。アンディ・ラウやジン・ティエンらアジアの俳優も大挙出演、とくに中国スター勢が鬼神のような活躍を見せる大アクションとなっている。主演のハリウッドスター、マット・デイモンはほとんど噛ませ役みたいなもので、中国軍人の高貴なる精神に影響され、ひれ伏す役回り。まさに中国資本ここにありな中国マンセー映画だった。

 その後、ハリウッドに落とされるチャイナマネーは、こうしたわかりやすい形ではなく、トランプ批判をするアメリカ人の監督作品へ投資するなど、いわば裏方へと回り現在に至る。米国世論への働きかけという意味ではある意味、巧妙になったといってもよい。だが17年のこのころは、まだまだこうしたヤンチャな映画を作れるくらいイケイケだったのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  1. 6

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  2. 7

    国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる

  3. 8

    「人は40%の力しか出していない」米軍特殊部隊“伝説の男”が説く人間のリミッターの外し方

  4. 9

    瀬戸大也は“ビョーキ”衰えず…不倫夫をかばい続けた馬淵優佳もとうとう離婚を決意

  5. 10

    迫るマイナ保険証切り替え…政府広報ゴリ押し大失敗であふれる不安、後を絶たない大混乱