結婚披露宴で「会社、辞めます」と宣言して落語家の道に
宮治は1976年10月、品川区武蔵小山で生まれ育った。本名、宮利之。生家は武蔵小山駅近くのビルで肉屋とステーキハウスを営む商家である。
「子供の頃からお芝居が好きで、新宿にあったコマ劇場の舞台公演によく連れて行ってもらってました。物心がつくと舞台俳優になりたいと思うようになって、高校卒業後、加藤健一さんが主宰する養成所に入ったんです。そこに3年通いながら、演劇の公演に参加してました」
当然ながら、それで食っていけるわけがない。
「化粧品販売会社でアルバイトを始めたら、これが思いのほか僕に向いていて、すごく成績がよかったんです。自分にセールスマンの才能があるとは思ってもいなかった」
そんな職歴があったとは意外である。
「複数のメーカーさんの商品を扱って訪問販売するのですが、僕はコーセーさんが多かったですね。女性のお客さまに気に入られてお得意先が増えて、そのうち、『もう芝居はいいか』と思って俳優を断念しました。なにせ8年やって、年収1000万を超えたこともありましたから」