ひたすら「感動」をあおる五輪報道 皆はき違えていないか
おりしも国際水泳連盟が、日本で行われるはずだった飛び込みやアーティスティックスイミング(旧シンクロ)の予選の中止を通達した。日本の水際対策が甘く、審判などから行きたくないという声があるという。それどころか、今年、中国・成都で行われるはずの学生のオリンピックである世界ユニバーシティーゲームズですら、もうすでに来年に延期されているのだ。
北朝鮮は早々と不参加を表明した。さて各国はどうなるのか。
ここ何回かの大会では200カ国以上が参加しているが、30カ国ぐらいになるのではという予想もある。
PCR検査もワクチンも国民の99%以上が行っていない国に来るのにはかなりの勇気がいるだろう。それでも聖火ランナーは走っている。SNS上では悪名高いあのゴテゴテした派手な照明とうるさい音楽の宣伝カーに先導されて。彼らはひたすら感動をあおる。
相模原市の市長はパラリンピックの聖火の採火を、あの凶悪事件が起きたやまゆり園でやるという。遺族には何も知らせずにである。「事件を風化させないために」と言うが、風化も何も人々の記憶にまだ生々しく残っている。40人以上が殺傷された事件現場を聖地のように扱うのには違和感がある。