東京五輪不参加の北朝鮮 金正恩は菅政権に見切りつけた?
不参加国は今後も増えるかもしれない。
北朝鮮オリンピック委員会の総会が3月25日にオンライン形式で開かれ、東京五輪不参加を決めた、と報じられた。北朝鮮体育省のサイトによると、<新型コロナウイルスによる世界的な保健危機の状況から選手を守るため>という。
加藤勝信官房長官は6日の会見で、北朝鮮の東京五輪不参加について、「国際オリンピック委員会などとの調整だから、それを注視していく」と平静を装っていたが、このニュースに強い衝撃を受けているのが菅義偉首相だろう。
北朝鮮の不参加表明について記者団から問われ、無言を貫いた菅首相。昨秋の政権発足以降、北朝鮮の金正恩総書記との日朝会談について、「条件を付けずに向き合う決意」と繰り返し、国会でも、東京五輪開催時に金総書記の妹・与正氏が来日した場合の接触の可能性を問われた際、「拉致問題を解決するのは私の仕事だ。ありとあらゆる可能性を考えて対応したい」と意欲を示していた。
だが、今回の北朝鮮不参加の表明で、日朝会談はもちろん、拉致問題解決も遠のいたのは確実だ。東京五輪組織委の幹部などからは「スポーツの政治利用ならば嫌な手だ」といった声も出ているが、北朝鮮はなぜ、このタイミングで不参加を決めたのか。