玉木宏が熱演! 嫉妬、憎悪、派閥争い…異色の警察ドラマ
桜の塔(テレビ朝日系/4月15日スタート・毎週木曜 午後9時)
「やっぱりおしい刑事」(NHK・BSプレミアム)、「特捜9」(テレビ朝日)、「警視庁・捜査一課長」(同)、「警視庁ゼロ係」(テレビ東京)と、今クールも「刑事・警察ドラマ」の花盛りだが、その中にあって「異色の警察ドラマ」といえる。
このジャンルのドラマでは「逃げる犯罪者vs追う警察」という構図が一般的だが、このドラマでは犯罪者の逮捕など二の次、三の次。メインテーマは、警視庁の中の熾烈な派閥争いと、その派閥争いを利用して東京都の警察官25万人の頂点に立つ警視総監を目指す1人の警察官の野望だ。「開国派」「攘夷派」の派閥争いの中で起きた幕末の井伊直弼暗殺事件ではないが、いわば桜田門「内」の変がリアルなタッチで描かれる。主演の玉木宏(41)にとっては、昨年の「竜の道二つの顔の復讐者」(フジテレビ系)に次ぐ本格的ピカレスク・ドラマだ。
警視庁内で地方大学出身者が集まる「外様派」に所属する警視庁捜査共助課の理事官・上條漣(玉木宏)は、父・勇仁(岡部たかし・48)も警視庁捜査一課の刑事だったが、幼少期に経験したある出来事をきっかけに「正義とは権力だ」「悪魔に魂を売らなければ、本当の間違いを正せない」と考えるようになった。そして、警察権力のトップに立つ警視総監になるという野望を抱き、まずは派閥の長を警視総監にするのが早道だという打算のもと、事件を解決して派閥のポイントを稼ぐには証拠の捏造も辞さない。