「ミナリ」ユン・ヨジョンが韓国人初アカデミー助演女優賞
■映画では半分以上が韓国語
監督のリー・アイザック・チョンは韓国系米国人であり、製作会社も米国の会社で、同作は「米国映画」であるのは間違いないが、使われる言語の半分以上が韓国語である異作だ。ゴールデングローブ賞では言語を理由に国内映画枠から外され、外国映画賞を受賞した。国内映画枠から排除したことについて、ノミネート当時、ニューヨーク・タイムズなど、多くの米国メディアが批判の声を挙げていた。
大半の台詞が韓国語の映画であるものの、“移民の国・米国”の人々は、移民1世のストーリーに共感したようだ。何もない土地で畑を耕し、その地で生きて行こうと努力し葛藤する主人公らの姿は、韓国系に関わらず、米国人のルーツの物語だからだ。その共感が米国でのヒットにつながった。
■「パラサイト」とは全く異なる映画
「韓国系」という共通点から、昨年(2020年)のアカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞した韓国映画「パラサイト」(ポン・ジュノ監督)と比較する評価もあるが、まったく異なる映画であると言っていいだろう。