山口洋子が店を閉めて結婚を考えるほど惚れ込んだ野球選手「F」とは誰か
▼福田信夫 61年入団。実働3年で一軍登板なし。64年現役引退。
▼船山稔雄 61年入団。61年シーズン途中で退団。そのまま現役引退。一軍登板なし。
明らかに「東の長嶋、西の――と囃された花形エース」ではなかった。しかし、どれだけ捜しても中日ドラゴンズOBの投手で、この時期に在籍したFは彼ら2人だけしかいなかった。無礼を承知で言うなら、銀座で豪遊できるキャリアを収めているとは言い難く、銀座のクラブの人気ママと恋仲になれたとは到底思えない。
では「F」とは一体誰なのだろう。筆者は、拙著「沢村忠に真空を飛ばせた男」の取材をした4年前、オープン当初から「姫」の常連客だった芸能プロダクション・ホリプロ創業者の堀威夫にただした。すると堀は「アッハッハ」と笑うと、筆者にこう言った。
「そんなの、あの頃の常連だったらみんな知ってる。確かあのとき『しばらく店は畳みます』って言ったんじゃなかったっけ。最初は誰もまともに取り合わなかった。相手のこともうすうす知っていた。直接聞いたわけではなかったけど、いい仲だったのは知っていた。そういう情報はすぐに伝わるでしょう。そしたら本当に店を一度閉めちゃったんだもの。『本気なのかな?』って常連客みんなで口々に言い合ったもんよ」