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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

“小道具の銃”誤射で監督死亡…アメリカ映画よ、いつまで銃を撃ち合うんだ

公開日: 更新日:

 先日、アメリカの映画撮影現場の悲しい事故のニュースが伝えられた。アメリカのコメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ」でもホスト役の常連で、何年か前も、トランプの真似をしてヒラリー・クリントン役と討論会のパロディーで話題になったアレック・ボールドウィンというベテラン男優が現場でリハーサル中に“小道具の銃”を誤射し、女性の撮影監督に実弾が当たって死んでしまったのだ。

 主演のアレックも気の毒なことだが、新米のガン・プロップ(銃の小道具係)も何をどう間違えたのか、その前にはスタッフの解雇があったり、ギャラの支払い問題もあったり、現場の士気も下がっていたというのだ。アメリカのスタッフはほとんどがユニオン(組合)に加入しているので、問題があるとすぐスタッフが入れ替わり、現場が止まってしまうのが常なのだが。

 そもそも銃がなくならない限り、事故は起こり得る。アメリカではいくら小道具でも銃はホンモノ仕様だし、日本みたいな玩具ではないからだ。現場では実包弾でなく、それに似た火薬入りの空包弾が使われている。そして、ガン・プロップは銃を扱う認可証を持っていて、リハーサルでも俳優にその空包弾の銃を手渡すまではそのプロップが厳重管理するわけだ。で、本場になると俳優は改めて銃を受け取り「レディー、アクション!」と監督の声がかかるまで、銃口を天空に向けて手を掲げたまま待たなければならない。特別でない限り、空包弾を装填して撮るのがアメリカの現場ルールだ。誰がそれを無視し、実弾入りをアレックに手渡してしまったのか、そこが問われるところだ。

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