(9)誕生日にタランティーノが家にやってきて「私の次回作に出てください」と

公開日: 更新日:

 最初の1週間は彼女たちに刀を触らせなかった。刀とは何か。武士とは何か。そうした精神性を教えるところから始めたのである。もちろん、厳しい稽古も課した。武術の心得があるルーシーは上達が速かったが、ユマはかなり苦労した。

 出産後3カ月だったから、コンディションづくりも大変だったし、手足が長く、腰位置が高いから殺陣がサマになるまでに時間がかかったのだ。それでも必死に稽古についてきた。

 私が「どうしてそこまで頑張るんだ」と尋ねると、うれしい言葉が返ってきた。

「私のかけがえのない財産となるからです」

 彼女たちのプロ根性もあり、一見荒唐無稽な「キル・ビル」には、日本映画が培ってきた殺陣の文化が見事に息づいている。(つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議