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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

ドラマで“消えもの”だった「料理」が必須アイテムに 次世代グルメリポーターの筆頭は誰?

公開日: 更新日:

 朝ドラ「ちむどんどん」は毎週、フーチャンプルーなど料理がテーマに入る。ドラマの展開に邪魔にならない程度に登場する料理を真上からのカメラで撮る演出は料理番組さながら。綾瀬はるか大泉洋の「元彼の遺言状」でも出来上がった料理を上からカメラで紹介。ドラマと料理のコラボと言えば、テレ東のお家芸。松重豊の「孤独のグルメ」はシリーズ化され、西島秀俊内野聖陽の「きのう何食べた?」は映画化された。今期もお笑いトリオ・ハナコの岡部大が白飯と合う最高のおかずを求めて修行する「しろめし修行僧」を放送中。ドラマ内の料理は「消えもの」と呼ばれていたが、今期のドラマでは「消えもの」では片づけられないアイテムになった。

「コロナ禍で家庭グルメが取り入れられ、料理に関心を持つ人が増えた。もともと、料理は情報番組などの定番企画だったが、ドラマにも浸透。これからはドラマでも必須になるかもしれない」(テレビ関係者)

 必然的に食べるシーンも増える。今期も綾瀬がバクバクと頬張るシーンが毎回あった。岡部が満面の笑みで豪快に白飯を食べる顔はよりおいしそうに見える効果があった。ドラマの中でも出てくる「食リポ」のルーツは1974年に始まった「くいしん坊!万才」(フジテレビ系)にある。現在、11代目の松岡修造がリポーターを務めているが、渡辺文雄に始まり宍戸錠、川津祐介、梅宮辰夫ら俳優陣が多く務めた。

 80年代に入ると俳優がつくったグルメリポートの流れをタレントや芸人が引き継ぎ情報番組に取り入れた。彦摩呂、ホンジャマカの石塚英彦らタレントがグルメに特化したリポートで新しい形のグルメコーナーをつくり出した。

 料理を食べて、いかにおいしいかをコメントとリアクションで伝える。「簡単そうで難しい」といわれるリポートを彦摩呂は「まるで宝石箱や」「味のIT革命が起きた」などと独特の言い回しを用いて人気を博した。石塚は健康優良児そのものの太めの体形で、料理を口に入れるたびに満面の笑みで「まいうー」と叫ぶ。芸能界の隠語と呼ばれる逆さ言葉だが、今や「まいうー」は誰もが知っている言葉になった。

“デブ系タレント”の2人が最有力

 他にも阿藤快や内山信二と次々とタイプの違うグルメリポーターが現れた。ギャル曽根は「大食い」を武器に一世を風靡(ふうび)。結婚・出産を経てママになって戻っても、変わらぬ大食いでブーム再来の兆しを見せている。

 現在、彦摩呂、石塚が一線から引き、次なるグルメリポーター界のエースを目指して新たな顔も続々と現れている。アンジャッシュ渡部建が最有力候補だったが、不倫で自滅。元V6のメンバー・長野博も「グルメリポーター」の肩書を加えて参戦。グルメ番組で活躍中だ。

「過去の例から見て太った体形のほうが有利。健康的に見えるし、豪快に食べる姿が絵になり視聴者に与えるインパクトも大きい。後は気の利いたコメントを言えるかどうか」(情報番組スタッフ)

 最有力なのが“デブ系タレント”の2人。すでにグルメ番組のレギュラーのバナナマン日村勇紀と、前出の岡部だ。

「日村の食べ方は親しみが湧く石塚タイプ。岡部は石塚、ギャル曽根と同じ事務所の所属。グルメの伝え方のノウハウを知る事務所だけに新たに仕掛けてくるのでは」(芸能関係者)という見方も。グルメを通してグルメリポーターも注目される。 

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