五輪も仕切る電通は今や「国家なり」 長くタブー視してきたメディアが“政商”に変えた
現在、菊と鶴はタブーではなくなったが、電通は今や単なる広告代理店ではない。歴代政権の中枢に食い込み、官僚たちをあごで使うようになった。安倍元首相の国葬も電通が取り仕切るとネットで騒がれた。もし、事実ならば、まさに「電通は国家なり」の態である。
組織委は東京五輪の経費は6404億円と発表したが、公益法人で情報公開制度の対象ではないから、経費の詳細については開示しないという。昨年6月にはJOCの経理部長だった人間が自殺している。長野五輪では、招致委員会の会計帳簿を燃やしてしまった。今回を含めて、よほど不都合なことがあったとみて間違いない。
このところ統一教会には強腰のメディアが、電通が絡むと腰が引けているように見える。この事件をきっかけに、これまで電通がやってきたことを丸裸にする。そのためにメディアは自分たちの“恥部”もさらす覚悟をせよ。(文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)